素食インタビュー
日本または海外に住む素食の方にインタビューをして、素食について伺っていく企画をはじめました。記念すべき第1回はこちらです。

素食インタビュー 第1回

馬さん(仮名:台湾人男性、70歳)

40歳で素食になる

台湾中部の台中近郊出身の馬さんは、日本に移住後、関東で事業をされていましたが、素食となったのは40歳の時。「日本酒を毎日1升飲んで、たばこを60本吸う生活をかれこれ20年ほど続けてきました。その頃に事業や私生活でも色々とあったところで、台湾の道教の一派と出会い、生活を全部改めました」。

かなり厳格な素食である馬さん。「最初は肉だけをやめて、魚、牛乳、卵は食べていましたが、慣れてきたころにこれらも全てやめました。また、道教の教えにある香りのする野菜類、例えばニンニクやネギなども一切食べなくなりました。その後、非常に健康的になり私は良かったのですが、毎日の食事を用意する妻には多くの迷惑をかけております」。一家の中で素食なのは馬さんのみで、奥様や子供さんは普通に肉食だったので、素食と普通の食事の両方を用意しなければならないそうです。

日本と台湾の素食事情

「日本で素食を続けるのは大変でした。当時、日本で素食というと、いわゆる精進料理しかなかったんですね。また、普通の飲食店で素食を食べようとしても、素食の手順で作られたものかどうかが分からない。素食=単に肉や魚が入ってなければいい、というわけではないんです。だから、肉食でない料理だとしても信頼できない。家族と外食に行くと、私だけ食べられるものがない、ということが多々ありました。妻や子供に悪いので、食べるふりだけはしていました」。

その後、50代になって、生まれ故郷の台湾に戻った馬さん。「台湾に戻ってよかったのは、どこでも素食が食べられること。素食店には肉類は一切置いていません。素食専門店がなくても、素食と肉食の混合の店も多くあります。素食を続けることで、おかげさまで健康になって、病気一つしなくなりました」。

安心して素食が食べられる日本に

「台湾の人口の1割以上が毎年観光やビジネスで日本を訪れ、また多くの台湾人が日本に住んでいますが、素食の人は例外なく困っています。私の親族が日本を訪ねた時、そのうちの一人が素食だったんですね。彼女は、どのレストランでも食事することができず、結局ホテルに戻ってきてから、コンビニのそばに醤油をかけて食べていたそうです。日本を訪れる素食の人たちが、美味しい日本の素食を安心して食べられるようになる日が来てほしいですね」。