台湾の素食事情
素食専門店

台湾に旅行された人は、「素食」の看板を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。その看板があるお店は、間違いなく素食専門店と考えてよいでしょう。

この看板のあるお店では、肉料理はもちろん、肉や魚の出汁や香り付けに至るまで、肉類は食材に一切含まれていません。この看板があるお店では、厳格に素食のための調理がなされています。完全に素食しか提供されないため、ここで肉食の方と素食の方が共に食事をとることはできません。

素食「も」食べられるレストラン

一方、近年では大手チェーン店や中規模レストランの多くの店で、一般のメニューに加えて素食メニューが用意されています。こちらでも素食を調理する際、素食を作るためのルールが厳格に守られています。

重要なのは、素食料理と一般料理を同卓で食べられるということです。つまり、同一グループ内のお客様に肉食の方と素食の方が混在しても、同じテーブルで食事が摂れるということなのです。

これらは、台湾の外食産業にとても大きな変化をもたらしました。何故なら、台湾の家庭では肉食の方と素食の方が混在している場合が少なくないからです。また、家族以外でも、グループ内に同じ事情がある場合も同様です。

このシステムは、新たな顧客を呼び込むことに成功しました。これは、元々存在していた手付かずの領域を新たに開拓した、と言えます。おそらく、これから台湾でレストラン事業を展開する場合、このシステムは必須条件になってくるでしょう。いえ、既にその様になっているのかもしれません。

大規模な素食レストランは各都市に

台湾では各都市に大きな素食レストランがあります。もちろん中には大変高級な店もあります。肉食の方々と同じで、一般庶民が毎日行ける様な所ではありません。

また、先にも書きました様に、大きな一般食レストランでは多くの店で素食に対応しています。毎日の食事に利用するような規模の店舗にも、添付の写真の様な看板が至る所に見受けられます。これらも他の台湾食同様に、大変美味しいことを知って頂けると嬉しいです。

素食初心者の方々が肉を食べなくても良い、大変美味しい素食店・メニューが豊富に存在していることも、素食人口を増やしている一因だと思われます。ですから、台湾では、「素食」と言っても、「質素な食事」という意味にはなりません。

素食者(ベジタリアン)と、非素食者のどちらも心地よい環境を

台湾では約200万人強の人達が素食だと言われています。この人口は、ちょうど台湾の旅行者が年間に日本を訪れる数に匹敵します。願掛けの為に一時的に素食を摂る人も多く、潜在的にはさらに多いと考えられます。毎日は無理という方も多く、旧暦の毎月1日と15日だけ素食という所から始まり、その理由も、牛肉を絶つ代わりに病気を治して欲しい、商売の売り上げを達成するまで、といった願掛けなど、様々です。

私達の協会が進めようとしているのは、素食の人と、素食でない人が、同じレストランで、それぞれに望む料理が食べられる環境整備、まさにこれだと考えます。もちろん、各飲食店からすると、インバウンド訪日観光客を取り込むための戦術ともいえますが、それ以上に、世界から訪れる素食の方やベジタリアンの方々に、美味しい「日本の素食」を提供することは、本当の「おもてなし」に繋がると確信するからです。