インバウンド担当者必見!台湾素食の歴史と文化について理解する

インバウンド担当者必見!台湾素食の歴史と文化について理解する

台湾の全人口のうち、1割以上の方が食べていると言われる「素食」。なにやら聞き慣れない単語ですね。

「素食」という文面だけを見ると「質素な食事」と思われがちですが、実はこれ、台湾で日常的に食べられている精進料理の一つなんです。素食には肉、魚、卵や乳製品、更に五葷(ごくん)と呼ばれる食材(ネギ、ニラ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニク)は一切入っていません。本来は仏教などの宗教的な教えに従って生み出されたものですが、昨今ではベジタリアン向けの料理として、各国で注目されているんです。それではここで、台湾の精進料理である台湾素食のルーツに迫ってみましょう。

素食の歴史・文化に迫ってみる

素食は本来、修行僧のための精進料理でした。修行僧たるもの、穏やかで質素な心が必要になります。それを得るためには、植物性の食事を日常的に摂る事が大事です。動物性の食材や五葷には興奮作用があるので、修行僧は食べません。植物だけを食べていれば、内蔵に刺激が行かないのでイライラしたりする事が無くなり、穏やかな精神状態を保てるとされています。

台湾で独自に発展した素食、「台湾素食」は現地で「タイワンスーシー」と呼ばれているのですが、その文化は中国から多大な影響を受けており、始まりは紀元前まで遡ります。

紀元前2世紀の皇族であり学者であった劉安(りゅうあん)が「豆腐」を発明し、それをきっかけとして台湾素食が発展し始めたとされています。豆腐は菜食の中でも重要栄養素であるタンパク質を多く含む食材。当時から非常に重宝され、現代に生きる私たちの食卓に欠かせない存在となりました。

元々の原材料、大豆には「大豆タンパク質」が多く含まれますが、このタンパク質で肉の味や食感を細やかに再現しています。これらは「モドキ料理(あるいは素鶏、素肉、素魚)と呼ばれ、台湾のビュッフェ専門店でも多く提供されていることもあり、台湾の方々にとっても馴染み深い料理となっています。「野菜中心で味が薄い」という精進料理のイメージを覆すような料理なんです。

南北朝時代(5~6世紀ごろ)、中国では初めての素食料理本が出版され、11種類のモドキ料理が掲載されました。その後も種類は徐々に増えていき、200種類を超える素食が研究され、誕生しました。そして日本に素食が伝来したのは1654年(承応3年)。中国福建省の隠元和尚が日本に「浄素料理」の技術を伝えたのが始まりだと言われています。

なぜ肉や魚を使わないのか?

インバウンド担当者必見!台湾素食の歴史と文化について理解する

儒教の教えから生まれた素食は、「殺生しない」のが大原則で、動物性の食材(乳製品もNG)は一切使いません。儒教の教えに則るならば、「素食を食べる機会が増えるほど、無用な殺生が減る」という事になります。素食に動物性の食材が使われていると、食材製造業者が逮捕されるほど、非常に厳しく規制されています。かつお出汁などのスープ類も勿論アウト。即ち、かつお出汁で作った味噌汁もアウト!という事になりますね。

更に前述の五葷(ごくん)と呼ばれる5つの野菜もNG。これらの食材には「興奮作用があり、内臓や腎臓などの器官に強い影響を及ぼす可能性が高い」という理由で素食には一切入れません。

肉も魚もダメ!それじゃあ、何を使うの?

素食に使われている食材は主に豆類や野菜、そして果実です。豆類は肉のような味や食感を再現したり、麺料理にも取り入れられるため、素食料理には欠かせない食材と言えます。長い歴史を経て進化した素食文化は、もはや「質素」という概念を飛び越え、高級料理店で振舞われるレベルにまで発展しました。肉や魚を使わず、植物性の食材だけで作り上げる料理、それは先人たちの知恵や努力の賜物なんですね。

素食の中心的な食材である大豆は肉の再現に使われたりする事が多く、実際に食べてみると普通の肉と遜色がない、と感じる人が多いようです。他にも野菜だけとは思えない食感等や色鮮やかさに貴方もきっと驚くのではないでしょうか。

素食の研究が進んでいる台湾は、動物性の食材を植物性の食材で再現する技術が他国に比べて非常に高いと言われており、現在も地元の料理人がしのぎを削りながら、美味しくてヘルシーな素食を作っています。

台湾素食に他国のベジタリアンが熱い視線が注がれています!

いかがでしたでしょうか?「質素な精進料理」という先入観を見事に払拭した台湾素食は、「栄養価が高い、ボリュームがある、美味しい」の三拍子が揃っており、各国のベジタリアンに注目されています。

更には「肉、魚に加え、乳製品を一切食べない」というヴィーガンの方達でも美味しく頂けるのが素食です。貴方も一度味見してみてはいかがでしょう?想像以上に華やかで、色とりどりの品が並ぶ素食は、たとえ肉や魚、乳製品が入っていなくても美味しく食べられますよ。