日本で唯一の素食(中華圏のベジタリアン)専門団体です。

素食とは

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素食白背景+VEGETARIAN

素食とは何か?

素食とは、中国語で「ベジタリアン」または「ベジタリアン食」の意味です。中国語だと「スーシー」と読みます。「中国語の素食=英語のベジタリアンで、中身も完全に同じ」と思われがちですが、重大な違いがいくつかありますので、「素食=中華圏のベジタリアン様式」だと考えておいたほうがよいと思います。

なお、台湾政府が定める素食食品のガイドラインについては、こちらからご覧ください。

素食とはどのような料理か

何を持って素食とするかには、2つのポイントがあります。
1.素食で使ってはいけない食材が入っていないか
2.素食の調理・提供プロセスをきちんと守ってつくられた料理か

この2つのポイントが満たされていれば、どの料理も素食と言えます。日本料理でも、中華料理でも、フランス料理でも、です。

日本人の人が「ベジタリアン食」といって何を想像するでしょうか。多くの人は「野菜サラダ」「野菜スープ」のような、あまりボリュームのない、かなりあっさりして物足りない料理、または精進料理を思い浮かべるのではないかと思います。これが中華圏にいくと、大きく異なります。「味も触感も肉料理のような素食」「あたかも刺身のように見える素食」といった形で、肉や魚などの触感をうまく再現して料理に取り入れています。味や触感も、普通の肉料理や魚料理とほとんど変わらない料理も多数あります(よって、中華圏でベジタリアンになることは、日本でベジタリアンになるより、非常にハードルが低いともいえます)。

ベジタリアンと素食の違い

中国語でいう「素食」は、英語でいうところの「ベジタリアン」なので、素食=ベジタリアン、と思ってしまいがちですが、少し異なります。それは、宗教的に素食の人は、肉、魚、卵、乳製品以外にも、五葷(にんにく、ねぎ、玉ねぎ、らっきょう、にら)を食べないという点です。例えば、材料にキャベツ、にんじん、なすを使った「季節の野菜炒め」という料理があり、これの味付けにんにくが入っていたとします。日本や欧米のベジタリアンの人はこれを問題なく食べられますが、厳格な素食の方は、食べることができません。「ベジタリアンが食べられるもの=素食の人が食べられるもの」ではありませんので、注意が必要です。「素食=中華圏のベジタリアン様式」と考えておくとよいかと思います。

素食になった理由

1、宗教的な理由

仏教、道教の僧侶、導師、または信仰者が、宗教的な戒律を守るうえで素食となっています。素食になる理由はいくつもありますが、宗教的な理由で素食になった方々は、食事ならびその調理プロセスについて、もっとも厳しい基準を求めています。例えば、下記のようなものです。
・三厭(鳥、獣、魚介類)を食べてはいけない
・五葷(にんにく、ねぎ、玉ねぎ、らっきょう、にら)を食べてはいけない
・卵、乳製品を食べてはいけない

戒律を厳格に守る人は365日、生涯ずっと素食で決して三厭、五葷、卵や乳製品を食べることはありません。よって、家族に厳格な素食の人がいると、料理の食材も、調理も、もろもろ別ということになります。また、宗派によって、上記以外の要素が加わることがありますが、上記がカバーされていれば、まず問題ないといってよいかと思います。
それから「宗教上の法要がある日だけ素食」という人もいます。日本人が、仏教や神道の法要日など、特別な日だけ肉を食べずに精進料理を食べる、という感覚に近いかもしれません。

2、動物愛護の理由

動物愛護の観点から、素食になる方もいます。比較的若く、欧米の動物愛護的な考え方に影響を受けている方が多いようです。動物を食用として育てて、食べること自体が道徳的ではないという考えです。このような考え方に基づきますので、動物の肉を食べないという点が中心になります。魚を食べる食べない、乳製品を食べる食べないは、人により異なり、ひとまとめにはできません。

3、環境問題・食糧問題の理由

食糧問題や、食料の平等な半分といった理由で素食となる方です。一般的に、1kgの豚肉を生産するのに必要な穀物は4kgと言われ、これが牛肉になると10kg以上が必要です。世界的に人口増加は続いているのに、肉食は不経済で、かつ世界的な食料の不平等を促進する、よって肉食をしないという考えになります。「肉は食べない」が、魚や乳製品を食べるかどうかは人によって異なります。

4、有名人の影響

自分の好きな俳優やアイドルが素食なので、自分もベジタリアンになる、という理由です。きっかけは軽いと言えますが、そこから色々と調べて生涯素食となる方もいます。逆に、アイドルへの熱が冷めたら、そのまま肉食に戻ってしまう方も少なくありません。戒律に縛られているわけではないので、肉、魚、乳製品など、何を摂取して、何を摂取しないかは、各自が決めるので、これもひとまとめにはできません。

5、健康上の理由

(1)深刻な疾患がある場合
病院の先生から、食生活の抜本的な改善を勧められ、素食になったケースです。カロリーや脂肪の過剰摂取、栄養バランスの偏りが長期間続いたことにより、生活習慣病や内臓疾患となり、これ以上の病気の進行を食い止めるために、ある意味「仕方なく」「本当は食べたいのだが」素食になったケースともいえます。医師が「何を食べてよいか」と言っているかにより、食べられるものは違います。

(2)肉食が体質的に合わない場合
これは、「肉や魚を食べると体が重い気するので、素食になった」「肉や魚を食べると、胃腸の調子が悪いので素食になった」といったケースです。肉を食べない方が体調が良いので、肉を食べないという、ある意味非常に合理的な素食ともいえます。このケースも、どの肉を食べるか食べないか、魚、乳製品を取る取らないは、人により異なります。

(3)「今日だけ素食」
普段は肉も魚も食べるが、「今週は肉を食べすぎたから、週末は素食にしよう」というような場合です。宗教的な「今日だけ素食」とは違い、「その日の気分」で、素食だけ食べる日を決めています。特に台湾では、素食レストランが非常に多くあるため、素食を食べることはとても容易です。よって、「今日だけ素食」「週末だけ素食」という食生活を簡単に取り入れられます。日本でも「焼肉をお腹いっぱい食べた次の日は、肉食は控える」という人は結構多いと思いますが、それに似たものだと思って間違いありません。

6、目標達成のため
「試験に合格するため」「ビジネスの目標に到達するため」「家族の病気回復のため」など、何かの目標に達成するまでの一時的な間、素食になるというものです。目標が達成されれば(またはされなくても)、これまで通りの食生活に戻る場合が多いです。ある種の願掛けといってよいかと思います。

中華圏の素食人口

中華圏における素食人口の比率は、日本と比べると非常に高いです。例えば台湾では、人口の10%が素食と言われており、これはアジアではインドに次ぐ高い比率です。なお、中国・香港では、この比率が3%から5%と言われております。日本では信頼できる統計情報はありませんが、「かなり高い比率」と思われる方が多いのではないでしょうか。

素食をどこで食べるか(日本)

日本で外食にいくと、「ベジタリアンが食べても大丈夫な料理」と「食べられない料理」が明確に別れていません。よって、素食の人が一人いると、レストラン探しに苦労します。一見肉や魚、乳製品が使われていない料理でも、下ごしらえの際に、またスープの中に動物性のものが使われていることはよくあります。
(個人的な話で恐縮ですが、以前インドから日本に出張で来た方と仕事をしたことがありました。2人ともベジタリアンだったので、自信を持って連れて行ける場所がなくとても困りました。大丈夫だろうと思って連れて行ったそば屋さんは、出汁にかつおを使っていたため、結局食べられなかったりしました)。

日本で素食を食べるには、下記の4パターンがあるかと思います。

(1)素食専門店
最も確実です。しかしながら、日本での「素食」は、一般的に「台湾や中国の素食中華料理を日本に持ってきたもの」であり、ほぼ中華料理と考えて間違いありません。そして、この種の店は非常に少ないため、東京の一部くらいにしかないのが現状です。もし中華圏の旅行者が日本に来て「日本の美味しい素食を食べたい」といった場合、そもそも近場にこうした店がないか、またはあったとしても、自国で食べているのと同じ中華素食料理を食べることになってしまいます。

(2)ベジタリアン料理店
ベジタリアン料理店の場合、肉や魚、乳製品、卵が使われているかいないかはきちんと明示されていますし、店員の方がきちんとした知識を持っていることも多いです。しかしながら、ここでは完全な素食を食べることはできません。料理に五葷(にんにく、ねぎ、玉ねぎ、らっきょう、にら)を用いられていないか確認することはできますが、素食の調理・提供プロセスを用いて料理されていないからです。素食の人には、この点をきちんと説明しておく必要があります。

(3)一般の料理店
最後に、一般の料理店です。一般の料理店は、実際に調理をする人以外、料理に肉、魚、卵、乳製品、五葷(にんにく、ねぎ、玉ねぎ、らっきょう、にら)が使われているかいないかを詳しく把握していません。電話で確かめようとしても、一つ一つのメニューを事細かに確認することになるか、また確認した結果「よくわかりません」で終わってしまうことが多いです。そして、素食の調理・提供プロセスを用いて料理はされていません。

(4)自炊
自分で買ってきて食材を使って、素食の調理提供プロセスに従った料理は、素食の人は問題なく食べることができます。現に、日本に在住する中華圏の素食の人たちの多くはそのようにしています。しかしながら、短期間日本に滞在する旅行者は、ホテルにキッチンはないし、仮にあったとしても食材や調味料、調理器具を買って料理するとは考えられないので、旅行者の取り得る選択肢ではないといえます。

素食をどこで食べるか(台湾、中国、香港)

最も容易なのは、素食率が一番高い台湾です。素食専門店、または素食を出すことができる店には、まんじ(卍)マークが掲げられています。まんじマークが掲げられて店であれば、素食対応食材で、素食調理・提供プロセスに沿って出していることが保証されています。一品一品料理を注文する店もあれば、食べ放題のビュッフェ(バイキング)形式の店も多数あります。日本のように「ベジタリアン料理店が、大都市以外で見つけにくい」のとは違い、都会から田舎まで万遍なくあります。値段も、普通の料理と同じくらいで、特別高い料金を出す必要はありませんので、ご安心ください。

中国や香港でも、素食に対応した店はありますが、台湾ほど多くはないので、見つけるにはやや苦労するかもしれません。しかし、日本に比べれば素食の浸透度合いは高いため、日本ほど苦労はしないでしょう。

まとめ

現在(2015年9月現在)訪日観光客が急増し、過去最高を更新しています。そして、訪日観光客その半数以上が中華圏(中国、台湾、香港)からの観光客です。中華圏以外に住む華僑、華人まで含めると、さらに多い数字になります。素食割合は台湾人で10%、中国・香港人で3-5%程度と言われていますが、家族の中に一人でも素食がいる人を含めると、より多くの人が素食を安心して食べられる環境を必要としています。「日本素食振興協会」はこうした強いニーズを受け発足いたしました。今後とも、日本の皆様、また訪日外国人向けの情報提供を続けてまいりますので、どうぞよろしくお願い致します。

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